このブログや当サイトでは、よく左官というワードが出てきますね。

昨年の12月に、タナクリームなどの漆喰を日頃塗ってくださっている職人の「左官」さんが、ユネスコの無形文化遺産になりました!

 

ユネスコの3大文化遺産

世界遺産は大きく分けて3種類あります。

その中でも一番有名なのが、有形・不動産の文化遺産と自然遺産が対象となっている「世界遺産」です。そしてこの「無形文化遺産」と、文書・碑・フィルムなどの動産に残された記録が対象となっている「世界記憶遺産」というものがあります。

 

無形文化遺産とは

無形文化遺産は名前のとおり、無形の文化が対象となっており、具体的には音楽・舞踊・祭り・伝統工芸や料理などが今まで登録されています。

日本では、今までに「能楽」「和食」「和紙」などが登録されています。

グローバリゼーションの進展に伴い、その国や地域独自の無形文化遺産が消滅する危機が生じたことが発端となり、2003年にユネスコで採択されました。

ちなみに、日本は世界に先駆けて1950年に制定された文化財保護法により、既に国内の有形・無形の文化遺産を以前より保護してきたそうです!

 

左官が選ばれた理由

今回の登録は「伝統建築工匠の技」という名称で、木造建築物を受け継ぐための全部で17件の技術が対象です。その一つが「左官(日本壁)」となっており、他には「茅葺(かやぶき)」「畳製作」「日本産漆生産・生成」などがあります。日本固有の風土や植生などから生まれた伝統ある木造建築。これを建造する技術もまた、世界では日本のみの独自性があり、世代を超えて受け継がれるべきものであるという考え方で、様々な技術が選ばれたのですね。

 

他の国との違いは?

日本と同様に、石灰や漆喰が建築に使われるイタリアを例に見てみましょう。

調べてみると、建築関係では「石積み芸術」という知識や技術の登録があるようです。これは、石と乾燥土以外の材料を使わずに、石を上に積み上げていく技術のようです。イタリアを含むヨーロッパの数ヵ国が対象となっています。地震の多い日本と違い、地震が少ないヨーロッパは石の文化と聞いたことがあります。観光地の街並みも、石積みの建造物や石畳が多い印象ですね。こうした風土や文化から派生したオリジナルな伝統技術が対象になっていることがよくわかります。

ちなみに、その他にはイタリアのイメージに違わず、地中海沿岸国に伝わる地中海料理、ナポリピッツァの職人技などの美味しそうな食文化も登録されていました。

 

今回の無形文化財への登録決定は、左官さんを含む対象者の方々への大きな励みになったことと思います。日本の伝統文化を支え、活かし、従事されていることは、世界に向けてとても誇らしいことですね!

私たちも、その文化の一翼を担っていくメーカーとして、今後とも左官さんとその文化の継承のお力になっていければと思っています。

 

参考:外務省HP・日伊文化交流会HP

 

[執筆:スタッフF]